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壁仕上げ|The Cabin KARUIZAWA

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2024.02.02

壁仕上げ|The Cabin KARUIZAWA

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Planet Japan & Kreidezeit
こだわりの素材と扱う企業に出会えたことを幸運に思う

軽井沢で建築を進めている販売用コンセプトヴィラ「The CABIN KARUIZAWA」の内装壁材選定に自然素材の建材を扱う企業「プラネットジャパン社」に訪問した。同社は自然塗料の先進国であるドイツのKreidezeit社(クライデツァイト社)の塗料を主に手掛け、国内に質の良い材料を供給する会社として知られている。

株式会社プラネットジャパン






同社の本拠地は大阪となるが、今回は、さいたま市に所在する関東支社にうかがった。倉庫や事務所の一角にちょっとした展示スペースがあるのかなと思ったのだが実際に訪問してみると想像とは異なり、その空間の伸びやかさと美しさに材料見学を忘れ建築の見学となってしまうところだった。また、アテンドしてくださったスタッフの方もじつに親切でこの社屋での日常までも説明いただきとても感謝している。





社屋は「無有建築工房」竹原義二氏が手掛けたもので、化粧木の軸組みと大きな開口部からなる。働き手が穏やかに安心感をもって丁寧に仕事ができる優しさを感じ、自宅で仕事をしているような感覚を得られる空間であった。ルームレイアウトは1階のフロアーに図書館をイメージしてデザインされた建築関係の本と並列に材料のサンプルが丁寧に並べられた展示とミーティングスペースとなり、その奥にサンプルを制作する工房がある。工房ではエプロンをつけた女性スタッフが塗料の調合を行っていて、その光景はじつに楽しげな雰囲気があり「ここは塗料工房」だったんだと気づかされた。明かりの導きが美しい象徴的な階段を上るとキッチンや本社から出張してくるスタッフさん用の寝室、浴室が用意された居住スペースがあり同社のファミリー感を感じた。スタッフさんが日常使いする場所ではあるが、どの部屋も建築的にも美しく建物全体がショールームとなっているのがわかる。実際、実務を行っているオフィスまで案内していただいたのだが、その空間もじつに整然と美しく仕事もし易そうな空間であった。このようにルームツアーが行えるのは、建物内外の仕上げは同社が扱う材料が塗られていて、建物全体をツアーすることで、実際の建物での仕上げ手法やカラーなどを直に見ることが出来るというメリットがあるからだそうだ。モデルルームのような造られた光景ではなく、実際に使われている現場で仕上げの確認ができるのは、選ぶ側にとってはとてもイメージが湧きやすくミスチョイスも少なくなるありがたい仕組みといえる。























さて、今回のお目当ては内装壁の仕上げに使う塗材料の選定となるのだが、最終的にはKreidezeit社の塗り材を選ばせていただいた。粗めの骨材により質感のあるコテ仕上げの厚塗りタイプのもので、大理石の骨材と石灰を主成分とした「存在感のある壁」に仕上げることができるものでとても気に入っている。また、アクセントにガラスの小粒を混ぜることもでき一部の壁はこの仕上げをすることになりとても楽しみになった。














今回選択した材料を製造しているメーカーにも触れておきたい。Kreidezeit社(クライデツァイト社)は、ドイツ北部のゼーレムという村で自然塗料や天然壁材を製造している。同社は、現社長のツィーゼマン氏が青空市場で有機野菜を販売する傍ら、科学物質を一切含まない伝統的で安全な塗料や壁材の作り方を説明していくうちに評判となり自然塗料メーカーを立ち上げたストーリーをもつ。現在でも昔からの伝統的製造方法により材料を造るこだわりと信念をもつメーカーとなる。

Kreidezeit社






今回プラネットジャパン社を訪問し、扱う商品へのこだわりや建築に対する造詣の深さと、クライデツァイト社の材料に対する理念をみると、この2社がパートナーシップを結んでいる意味が良く分かった。同時にThe Cabinプロジェクトのコンセプトのひとつでもある本物志向のニーズにアジャストした「唯一無二」のヴィラを造るにはぴったりの、こだわりの素材と扱う企業に出会えたことを幸運に思う。