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天然石 | The Cabin KARUIZAWA

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2024.01.26

天然石 | The Cabin KARUIZAWA

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一品を求めて
大雪の中

軽井沢で建築を進めているコンセプトヴィラ「The CABIN KARUIZAWA」。今回は造作家具のパーツとして採用する石材の選択に岐阜県関ケ原町に拠点を構える関ヶ原石材さんに伺った。訪問させていただいた日は、ちょうど大雪による交通規制の真っただ中で、訪問先の場所は報道でも終日放送されていた関が原町、リスケも考えたが、納期の事もあり強行することになった。道中、岐阜羽島までは抜ける青空の中、広大な雪景色の平原の美しい光景の中を意気揚々と向っていたが、大垣を過ぎたあたりから、養老、垂水と進むにつれ状況は一変し、スタックした車に遭遇するにつれ顔色がかわっていく。積雪などほとんどない温暖な町に暮らすものにとっては、見慣れない雪景色に興奮を覚えるも、雪道の運転には全く自信が持てない。スタットレスタイヤを履いているということと、地元の軽自動車が前走しているから大丈夫ということを気持ちの支えに迂回を重ね、なんとか5時間半かかりたどり着いた。現地に着き石材問屋のご担当者さんと会話していると、最近は温暖化でドカ雪は少なくなったが、積雪の世界記録は同町と近隣市町にまたがってある「伊吹山」で1927年に11メートルを超える積雪を記録し世界一になったそうだ。


















「地」と「図」の均質感
# A301_PATAGONIA

本題となる石材の選定となるが、2023年の夏に同社を訪問した際にある程度、石種の目星はつけていたので、何百種類の石を端から確認する必要は無かったが、最近、入荷したものや、珍しいものも紹介いただき数時間かけ石の選定を行わせていただいた。どの石も目にしたことのない魅力的なものであったが、最終的に今回のプロジェクトに選定した石はイタリア産(産地は秘密らしい)御影石、呼称「PATAGONIA」を選ばせていただいた。本石はイタリアから入荷したばかりのもので、国内にはまだどこにも納められていないものらしい。この石を選択した理由としては、インテリアのカラーコードであるブラウンとベージュに合うことや、耐水性や汚れにくい御影石が今回の用途に適していることが選択の理由となる。自然が創り出した不思議な模様と配色に心惹かれる一石といえる。

# A301_PATAGONIA 説明書き
「抽象表現主義(ニューヨーク派)の代表的な画家であるジャクソンポロック、彼のアクションペインティングの画法を表現するようなデザイン性に富む花崗岩です。オール・オーヴァーと呼ばれる「地」と「図」の均質感が、透過性をもたらす石質と重なることで他に類を見ない空間を創造します」

ジャクソンポロック





























関ヶ原石材

石に対する思い入れの深さ

以前のジャーナルでも触れたが、改めて今回お世話になる石材会社さんをご紹介したい。同社は国内の石材はもちろん、世界中の石を直接買い付け販売するワールドクラスの会社となる。特にイタリア産の石は豊富な種類のストックを持ち倉庫や工場には数十トンをこえる石の塊が保管されている。担当者さんはイタリアで数年の駐在経験があり、採掘場や現地の業者さんとのつながりも深い石のエキスパートである。何より印象的なのは石に対する思いれの深さだ。地球の途方もない時間軸での活動過程で造られる石の様々な模様がどのように作り出されたのか、どうやって切り出され、世界中に運ばれていくのかなど、一枚一枚の石の前で詳しくお話をしてくださり熱量を感じる。また、石の製品加工も行っていて緻密な精度の加工や墨付けなど、職人技でしかできない領域の加工も同社の特徴のようだ。建築や家具製作などに特別な石材を採用したい方には同社に訪問することを是非お勧めしたい。

関ヶ原石材株式会社